Akyr -あの日、フランスは晴れていた-
〜A-BEAT
Cシリーズ VOL.8〜
「あっ、SANDROにALBERT!」
某日、A-BEAT-Cのスタジオにて。ロビーで談笑していた
S.OLIVAとA.CONTINIに駆け寄ってきたのは、DAVEの息子、フェデリコであった。
「ちょうどいいや、質問があったんだ」
「質問? ああいいぞ、何でも聞いてくれよ」
CONTINIが笑顔で答える。――OLIVAの対応が遅れたのは、過去の経験のせいか。
「Akyr
Musicって、あるじゃない?」
「Akyr……ああ、ローレンが作ったやつか」
「うん。……今更なんだけどさ。色々騒がれてたじゃない? 具体的なこと、イマイチ知らないから、
詳しく教えてもらおうかと思って。経緯とか」
「んー……経緯か。経緯ねえ……」
CONTINIはちょっと考えたが、すぐに顔をまた上げた。
「よし、説明してやるぞフェデリコ。いいか、1回しか言わないからな。よく聞くんだぞ」
「うん」
「ローレンがAkyrを作ったのは、なんかそんな気分だったからだ。――以上」
その台詞を聞いた瞬間、OLIVAは座っていたソファーから転げ落ちそうになった。
「おいALBERT、なんだその説明は」
「なんだ、何か間違ってたか? 気分も乗らないのに新しいレーベルは立ち上げないだろう」
「それはそうだが、もうちょっと何かあるだろ、説明出来る部分が……」
OLIVAはため息まじりにCONTINIを説得した。――そういえば以前こいつはフェデリコに
物凄い適当な説明をしていたことがあったな。
「よしわかったフェデリコ、詳しく説明してやろう。――これはまだローレンがDELTAにいた頃の話だ」
「うんうん」
「DELTAで順調に過ごしていた日々、ローレンは少しずつDELTAの音楽と自分の音楽について
色々考えていくようになっていったんだ」
「成る程……」
フェデリコは真剣な目でCONTINIの話を聞いている。
「そして気が付けばAkyr
Musicは出来ていましたとさ。――以上」
「うおおぉぃぃぃ!! なんだその曖昧な説明は!?」
OLIVAは再び落ちそうになるのをこらえながらCONTINIにツッコミを入れた。
「曖昧? そうか?」
「さっきの説明と大して変わってないだろそれ!! なんだ気が付けば出来てましたって!!
おとぎ話じゃないんだからな!!」
「じゃあ、ローレンはAkyr
Musicが出来ていることに気が付きませんでした」
「気付くよ!! 自分で作ったんだから!! そういう意味で言ってるんじゃなくて、
もっと詳しく説明してやれって言ってるんだ!!」
OLIVAのツッコミを受けると、CONTINIはため息をついた。
「分かった。――フェデリコ、かなり長くなるけど、いいのか?」
「うん、大丈夫」
「よし。じゃあ本格的に話してやろう。――ローレンは、元々はフランスの生まれなんだ」
「へえ……EUROBEATに関する人ってイタリア人、ってイメージあるけど、違うんだね」
「そうだな。――ローレンが生まれたその日、フランスはよく晴れていて、散歩日和だった」
「――ちょっと待てALBERT」
不意にOLIVAが止めに入った。
「Akyr
Musicの話なのに、どうしてローレン誕生秘話みたいになってるんだ?」
「いや、詳しく話せって言われたから」
「細かすぎだろう!! 知りたいのはAkyr
Musicの経緯でローレンの生涯じゃないだろう!?
その辺りは多少省略してくれ!!」
「わかった、じゃあそのあたりは簡潔にな。――フランスで生を受けたローレンは、
18の時にイタリアに越してくる」
「うんうん」
「そして2006年、念願のAkyr
Musicを作りました。――完」
「うおおぉぉぉぉぃぃぃぃ!!! 飛び過ぎだろう歴史がぁぁ!!」
「いや、SANDROが省略しろって言ったじゃないか」
「極端なんだよ!! もっと中間くらいの説明は出来ないのか!?」
「ローレンは、Akyr
Musicを作ったかもしれません」
「中間にしてる箇所が違うだろうがぁぁ!!!」
------------(フィクションです)------------
ALBERT
CONTINIさん初登場コント。
実はこの人の存在は数ヶ月前に発表された「笑い声は黒い下着と共に」で明らかになっており、
あの頃からちゃんとメインで出してみたいな、とは思っていたのが実現した作品です。
またこの人、他のボケ役とは違って、天然ではなく、「面倒くさがり」「極端」という
ところを根本的なものとして描かれています。大して違いませんけど(笑)。
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