振り返ればエナジー
〜A-BEAT Cシリーズ VOL.13〜


「――最近、頑張りすぎなんじゃないか?」
L.RAIMONDIは丁度休憩中だったDAVEを見つけて、そう話しかけた。
――某日、A-BEAT Cのスタジオにて。
「LUIGIか。――急にどうしたんだ?」
「いや、最近やけに自らヴォーカルを取ることが多くなったじゃないか。
何かあったのかと思ってな」
「ああ、そういうことか。――正直なところ、不安定な今が一番大事な時だろう?」
A.GATTIとS.OLIVA率いるGO GO'S MUSICが傘下レーベルとして生まれた今、
色々な意味でA-BEAT Cは揺れていたのだった。
「どうしても君や復帰してもらったエネリーにウチは頼りがちになっているからな。
僕はヴォーカルも出来る分、そちらでも頑張らないと」
「僕は別に構わないんだが……あまり無理はするなよ。倒れたりされたらそれこそ困る」
「ハハハ、今日は本当にどうしたんだLUIGI。そんなに僕が疲れて見えるか?」
「いや、見た目がどう、とかではないんだが……」
そう言うと、LUIGIは先ほどPCから印刷してきた紙を1枚取り出してDAVEに見せる。
「これを作ったの、お前だろう? この前偶々見たんだが」
印刷されていたのは、A-BEAT Cのmy spaceのページ。
「ああ、そうだけど。それがどうかしたか?」
「こういうのを見ると、疲れてるんじゃないかって思うさ、どうしても」
RAIMONDIはページの中からとある一行を指差す。そこはアーティスト紹介の欄。
RAIMONDIが指差したそこには「HI NRG MAN」と書かれてあった。
「これ、MEGA NRG MANの間違いだろう? ここまでのミスをしていると誰だって心配するさ」
「ミス?――ああ、違う。これは新しい新人の名義だ」
「はい!? 本気で言ってるのか!? 滅茶苦茶紛らわしいだろこれじゃ!!」
上記の通り、A-BEAT CにはMEGA NRG MANという人気アーティストがいるのだ。
「気持ちはわかる。だが僕はこういう大変な時だからこそ、原点に戻った楽曲、
アーティストを生み出していきたいと思っているんだ。やはり原点はエナジーだと思う」
「言いたいことはわかるが……やっぱり紛らわしいぞ、それだと」
RAIMONDIがそう言うと、DAVEがうーん、と考え出す。
「やっぱりそうか……丁度いい、君の意見を聞かせてくれ、LUIGI」
「どういうことだ?」
「HI NRG MANはあくまで候補の1つに過ぎないんだ。他にも色々候補があるから、
どれがいいか選んでくれないか」
「成る程な、わかった。そういうことなら協力しよう。それで、他の候補はどんなのが?」
「候補その1。「HI NRG MAN?」」
「疑問系!? 何故疑問系!?」
「今時の若者っぽいだろう」
「いやお前今時の若者を何か勘違いしてるぞ絶対!」
RAIMONDI自身もそう今時の若者に詳しいわけではないが、流石に違う気がした。
「なら候補その2。「LOW NRG MAN」」
「駄目だろそれじゃ!! 落ちてるじゃないか!!」
「人間、いつかは落ちていくものさ。――僕も色々あった」
「誰だよお前!? お前の話は今聞いてないだろ!? とにかくそれも駄目だ!!」
「そうか……それなら候補その3。
「お前さえいなければ俺がMEGA NRG MANになれたかもしれないのにッ……!! by MANUEL」」
「何処からツッコミを入れていいかわからないが隅から隅まで駄目だろうがぁぁ!!
何その裏歴史みたいな名義!! というかその長さ既に名義としては不可能だ!!」
「楽曲もあるんだぞ。しかもとっておきのリメイクだ」
「――リメイクなのか?」
「ああ。「JEALOUSY 2007 / お前さえいなければ俺がMEGA NRG MANになれたかも――」」
「だあっ!! 全部いちいち言わなくてもいい! というか上手い具合に見つけてくるなそんなタイトル!」
ちなみに、「JEALOUSY / VIRGINELLE」のことである。
「いいかDAVE、やっぱりお前疲れてる。少し休んだほうがいい」
「そう……か。そうかもしれないな。――そのせいかな」
「? 何がだ?」
「最近よく同じ夢を見るんだ。不吉だよ、事実無根なのに」
どうやらそれは本当の話らしく、ふぅ、とDAVEは軽くため息をついた。
「事実無根の夢……どんな夢だ?」
「DOMINOと別れる夢さ。――ウチは夫婦円満なのに、困ったよ」
「うおおおぃぃぃ困るのは僕だよ!! 滅茶苦茶事実だぞそれ!?
悪いけど思いっきり別れたよお前ら!!」
「後はLUIGIが借金を返してくれない夢とかな」
「借りてないよ!! どさくさに紛れて何言ってるんだよ!?」

------------(フィクションです)------------

A-BEAT Cのmy spaceにての書き間違いを元に作られたミニコント。
個人的なツボは「僕も色々あった」なのですが、
後半とその台詞が何となく矛盾してる気がしてならない今日この頃(汗)。


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