あの頃にはもう帰れない
〜A-BEAT Cシリーズ VOL.21〜
「……うーん」
某日、イタリア、A-BEAT
Cのスタジオにて。
L.RAIMONDIがスタジオの個室の一室のドアを開けると、そこには
腕を組んで真剣に何かに悩んでいるDAVEことG.PASQUINIの姿があった。
「おい、どうした? 悩み事か?」
「LUIGI。――いや、何でもないんだ。気にしなくていい。うん、気にしなくていいからな」
「そう……なのか?」
「ああ、君は全然気にしないでいい。何でも、そう本当になんでもない、些細な話だから、
君は全然大丈夫だ。だから全然気にしなくていい。今僕が色々言ってるのも忘れてくれ。
大丈夫、何でもないんだ。だから落ち着くんだ、LUIGI」
「いやお前が落ち着けよ!」
RAIMONDIはふぅ、と一つ息を吐き、会話を整えることにする。
「本当に何かあったのか? 話位なら聞くぞ」
そうRAIMONDIが促すと、DAVEもふぅ、と一つ息を吐いた。
「実は――フェデリコが、58歳の子持ちの女性と結婚したいと言い出して」
「え……ええええええ!? ふぇっ、フェデリコが!? 本当か!?」
「嘘だ」
…………。
「――そんなにむくれることはないじゃないか、LUIGI。さっきも謝っただろう」
あれから数分が経過していた。
「まさか僕も君がアッサリ信用するとは思ってなかったんでな。――せめて58歳の孫持ちにしておけば」
「子供がいるとか孫がいるとかじゃないから! そこじゃないし!」
RAIMONDIははぁ、と大きくため息をついた。
「――でも実際、少々考え事はあるんだ」
「……本当だろうな」
「ああ。――これを見てくれ」
RAIMONDIがDAVEから手渡された紙には――
「SEB185のトラックリスト?」
「18曲目をよく見てみてくれないか」
「ラストナンバーか。――"BACK
TO THE 80'S / MEGA NRG MAN feat.
DOMINO"」
RAIMONDIとしては、特に違和感など感じなかったのだが――
「どう思う?」
対するDAVEは、随分と真剣な面持ちだった。
「どう思う、って……まあ、中々面白いタイトルだな、位か? 曲を聞いてみないことには何とも」
「80年代と言えば、A-BEAT
Cが出来る出来ない位の頃じゃないか。あの頃に戻りたいだなんて。
――僕にはもう妻も子もいるんだ」
「何の話だよ!? そんな歌なわけないだろ!?」
「しかもこの名義。"MEGA
NRG MAN feat.
DOMINO"」
「いやだから、それの何処に問題が」
「"feat."つまりトーマスの中のDOMINOに注目するということだろう? 融合したのか?
――ついにトーマスもDOMINOの怨念に取り込まれてしまったのか」
「何そのオカルト的な発想!? そういう意味じゃないだろ!?
っていうかお前だってこれ使ってただろ! ギタリストとの共演の時!」
「LUIGI。――僕はピザを食べると、あの日のことを思い出すんだ」
「何の話だぁぁぁ!! 思いっきり強引に話そらしたろ今!?」
「とにかくだなLUIGI、僕はこれが気になって最近1日10時間しか寝れなくてな」
「十分だ!!」
RAIMONDIが結局どの程度心配なのかわからなくなってきたその時だった。
「――ん?」
「どうしたLUIGI、DOMINOのスタンドでも見えたか」
「いやスタンドって。――そうじゃない、ほら。折角だから本人に聞いてみればいいじゃないか」
促された方を見てみると、丁度廊下を歩いているT.MARINの姿が。
「聞くのか……?」
「それしか方法がないと思うけどな……」
「――よし、わかった。聞いてみよう。――トーマス!」
呼び止められたトーマスが、部屋の中へと入ってくる。
「何だい? 何か予定変更でも」
「えーと、ほら、その、何だ。――色々あるけど、頑張れ」
「うおおおいぃぃぃ待ていDAVE! 何だそれ!?」
「だ、駄目だLUIGI。恥ずかしくて聞けない」
「理由もよくわからないし!! そんなキャラじゃないだろお前!?」
「――何なんだ、2人とも」
MARINとしては状況がまったく掴めない。RAIMONDIが再び促すと、DAVEは再び口を開いた。
「実は、その――今心配事があってな」
「相談か? 何だ、遠慮なく言ってくれ」
「ああ。実は――フェデリコが、58歳の子持ちの女性と結婚したいと言い出して」
「またそれかああぁぁぁ!!」
------------(フィクションです)------------
なんとなくこの曲に関しては何処かで弄るだろうというのは
常連様ならば予測していたと思われる作品でした(笑)。
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