刀は武士の命ナリ
〜「CHRISTINE
& ZANINI」シリーズ VOL.2〜
「――なんだい、そのDVDの束は」
E.ZANINIは、テーブルに積み上げられたDVDを見て尋ねた。
――ここは、某日、イタリア、SCPのレコーディングスタジオ。
E.ZANINIはスタジオに入ると、テーブルにDVDを積んでなにやら一生懸命
そのDVDのパッケージを見ている女性――レーベルメイト・CHRISTINEを見かけたのである。
「あらENNIO、お早う」
笑顔で挨拶をするCHRISTINE。その笑顔は、子供を持つ母親になった今でも、
変わらず可愛らしかった。――あの日の舌打ちなど嘘のようだ。
「――どうしたんだい、そのDVDの束は」
「もちろん、日本の文化の勉強よ」
やっぱりか。――ZANINIは心の中でため息をついた。
「知り合いに頼んで、日本のドラマのDVDを集めてもらったのよ」
「へえ……随分サムライの作品が多いな」
「やっぱり、「和」っていったら、サムライ、って感じじゃない」
なるほどね。――その考えには共感出来た。
「それで、どれから見てみようかって今悩んでたの。ただサムライのドラマっていっても
やっぱり本場じゃない? 色々あるのよ」
「へえ……作品的にも数が多いのも結構あるみたいだね。何々……「暴れん坊将軍」」
「それはね、江戸の将軍が随分暴れん坊で困った家来が将軍を毎回暗殺する話らしいわ」
「毎回!?」
「展開はシンプルなんですって、日本のサムライドラマは」
「いや毎回将軍が変わるのは不自然過ぎないか……!?」
「大して重要な役職じゃなかったのね、将軍って」
勝手に納得させ次のパッケージを見てみる。
「「水戸黄門」……これはね、水戸っていう土地を明るくする為に水戸中の門を全部
黄色に塗ろうと立ち上がったペンキ屋の話らしいわ」
「――そんなシンプルな話なのにこんなにシリーズがあるのかい?」
「中々簡単には塗れないらしいの、将軍が邪魔をして。だから将軍と戦って、
将軍を1人倒すごとに門を1つ黄色く塗っていく物語なんですって」
「結局将軍倒されるのか!?」
「みたいね、毎回。――門ぐらい黄色に塗らせてあげればいいのにね」
どうも理解出来ないZANINIをよそに、次のパッケージを手に取る。
「「遠山の金さん」……なんでもこれには名台詞があるらしいわ。
「この桜吹雪が目に入らぬか!」っていう。桜職人の話なの」
「桜……職人?」
「そう。その土地の将軍は桜が嫌いなのよ。だから将軍に桜の良さをわかってもらう為に
桜吹雪を抱えてお城に攻め込むの。そこで桜吹雪を投げながら決め台詞をいうのよ」
「そこでわかってもらって万々歳ってわけか」
「ううん、わかってもらえないので刀でバッサリ」
「――いや酷くないかそれも」
「でも明日になったらまた違う将軍がいるからその将軍を切りにいくって話」
「いや一応目的は桜の良さをわかってもらうことだろ!?」
……しばらく討論が続く中、今までのDVDとはまた違った雰囲気のパッケージを
ZANINIは見つけた。
「――これはサムライのドラマじゃないね。――「真珠夫人」?」
「ええ、普通の日本のドラマも借りてみたのよ。日本では今ドロドロしたドラマが流行ってるらしいから」
「へえ……」
と、その中に何か見覚えのあるパッケージを1つ、ZANINIは見つけた。
「これ……SUPER
EUROBEAT
VOL.150のDVDじゃないか。こんなところに混じってるぞ」
「ああ、いいのよそこで。言ったでしょ、最近の日本はドロドロしたのが流行ってるって。
だから、「SUNSHINE
IN YOUR EYES」でのPVでも見ようかしらと思って」
「「SUNSHINE IN YOUR
EYES」……って、うおおおおぃ!! そういう意味か!!」
「ね、ドロドロしてるでしょ?」
「いやだから君がちょっかいを出していいところじゃないだろう!?」
------------(フィクションです)------------
CHRISTINE
&
ZANINI第2弾はのテーマは時代劇。
メジャー所3作をクリスママがバッサリ将軍の如く(笑)切り捨てています。
実際こんな水戸黄門だったら嫌ですねえ(苦笑)。