個性的なテレビ番組
〜「CHRISTINE
& ZANINI」シリーズ VOL.3〜
「――どうしたんだい、新聞なんて見入っちゃって」
――ここは、某日、イタリア、SCPのレコーディングスタジオ。
E.ZANINIはスタジオに入ると、ソファーに座ってなにやら一生懸命
新聞を読んでいる女性――レーベルメイト・CHRISTINEを見かけたのである。
「あらENNIO、お早う」
笑顔で挨拶をするCHRISTINE。その笑顔は、子供を持つ母親になった今でも、
変わらず可愛らしかった。……一体あの性格のどのあたりからその笑顔が出てくるのか
ZANINIは最近疑問で仕方がなかった。
「何か、気になるニュースでもあったのかい?」
「ああ、ニュースを見てるんじゃないの。――見てるのは、テレビ欄」
「テレビ欄?」
「そう。それも、衛星放送で、日本の番組が見れるチャンネルのね」
「――まさか、また日本のことを」
「そうよ。――歌が上手く歌えるようになれるなら、何だってやってみせるわ」
「――関心するよ、君には」
「ありがと」
再び笑顔を見せるCHRISTINE。――多少の嫌味も入っていたのが気付かれないのは
幸なのか不幸なのか。
「でも日本も凄い国よね。早朝から深夜まで、こっちでは考えられないような番組が
沢山放送されてるわ」
「そんなに珍しい番組がやってるのかい?」
「ええ。例えば……ほら、これ。「めざましテレビ」って言って、
朝の5時半から2時間半やってる番組なんだけど……」
「その放送時間が珍しいのかい?」
「そうじゃなくて、よくタイトルを見て」
「「めざましテレビ」。朝っぽい普通のタイトルじゃないか」
「この番組、キャスターが2時間半叫んでひたすら視聴者を起こす番組らしいのよ」
「何その無意味な番組!? それだけで2時間半も!?」
「大丈夫、何人かキャスターは用意されてるみたいだから声が潰れるとかの心配は……」
「いやそこじゃなくて! 第一視聴者を起こすって、本当に起こすべきなのは寝てる人だろ!?
テレビついてないだろ!!」
「なんでもその時間になると勝手にテレビがつくらしいわ。予約とかしてなくても」
「番組内容よりその技術に驚くよ!!」
声を荒げたので、水分を補給するZANINI。CHRISTINEは気にすることなく新聞を見続けている。
「ほら、これも個性的よ。「世界丸見えテレビ特捜部」。これはね、世界中を盗撮する番組よ」
「それはただの犯罪だ!!」
「後はこれ、「報道ステーション」。これはね……」
「どう聞いてもニュース番組のタイトルだろ、それは。いかにもって感じのタイトルじゃないか。
僕はそれ以外は考えられないね」
そう言った瞬間、その場に数秒、沈黙が生まれた。――ふぅ、とCHRISTINEが小さくため息を吐く。
「――小さい男」
「え……今何て言っ――」
「あっ、ほら見て、ここではドラマ特集がやってるわよ」
誤魔化された。
「ちょうど今、「スローダンス」っていうドラマがやってるわ。どうも最近のSEBの低BPM化を
テーマにしたドラマみたい」
「……凄いマニアックなドラマじゃないか、それ」
「出演はね、A.GATTIですって。やだ、ドロドロしてるのかしら」
「え……ええ!? それは嘘だろ!?」
「あ、ばれた?――ドロドロはしてないみたいよ、さすがに」
「僕がツッコミを入れたのは出演者のほうだよ!!」
------------(フィクションです)------------
VOL.3は日本のテレビ番組について。
前回に引き続き駄洒落絡みのネタですけど、オチのスローダンスに関しては
個人的に上手い具合にオチが書けたな、と今になると関心します(笑)。
まさにうってつけのドラマがやっていてくれたものです(爆)。