明かりを点けたのは誰の心?
〜CHRISTINE &
ZANINIシリーズ VOL.13〜
「明かりをつけましょぼんぼりに〜♪ お花をあげましょ桃の花〜♪」
ロビーに軽やかな歌声が響き渡っている。――某日、イタリア、SCPのスタジオにて。
「……歌の感じからどうせ日本に関連してるんだろうけど……随分大事だな、今日は」
E.ZANINIはソファーに座りながらせっせと着物を着た人形を飾るレーベルメイト・
CHRISTINEの姿を見ていた。
「日本ではね、3月3日にひな祭り、っていう女の子の節句があるの。
で、これは雛人形って言って、その時に飾る人形なのよ」
一旦歌を中断して説明を終えると、CHRISTINEはまた歌を再開させた。
「お嫁にいらした姉様に〜♪ よくにた官女の――」
不意に中途半端な箇所でCHRISTINEの歌が止まった。
「――どうした? 歌詞忘れたか?」
「兄嫁に恋心を抱くなんて、なんてドロドロした歌なのかしら」
「おいおい、考えすぎだろ……」
「考えすぎ……ああ、そうよね。――A-BEAT-Cに復帰した
DOMINOとNUAGEの関係に比べたら兄嫁との不倫なんて」
「待ていぃぃぃぃ!! 何故そこと比べる!?」
「それもそうね。――どちらかといえば、その様子を眺めるフェデリコ君の心境に近いものが……」
「だああぁぁぁ!! そういう意味じゃない!!」
最近いじってなかったと思ったらいきなりこれか。――ZANINIはまたしても心の中でため息をついた。
「というわけで、はいどうぞ」
不意に、ZANINIはCHRISTINEから大きめの魚を1匹手渡された。
「なんだ、これ……サーモン?」
「今砂糖を持ってくるから、丸飲みしてね」
「い、いや、なんだその悪魔の様な要求!? 無理だろこれ丸飲みは!!」
「だって、日本ではひな祭りに甘ザケっていうのを飲むらしいのよ。で、調べたらサケっていうのは
サーモンのことらしいの。だから、はい」
「いやはい、じゃないよ!! 絶対何か勘違いしてるよそれ!! ちゃんと調べたのか!?」
「もちろんよ。――何なら、ひな祭りの歴史をお教えしてあげましょうか?」
CHRISTINEは、自分の鞄から1冊のノートを取り出し、ペラペラとめくり始めた。
「――日本ではね、時折行われていた催し物にある屋台の中に、ヒヨコ釣り、っていうのがあったらしいの」
「ヒヨコ……釣り?」
「ええ。ヒヨコっていうのは鶏の雛鳥のこと。……だから、雛釣り、とも呼ばれていたらしいわ。
それが色々あって、ひな祭りになったのよ」
「成る程ね……って、わかるわけないだろその説明で!! なんだよそれ!!
どう色々あったらそっからひな祭りになるんだよ!? 肝心な部分全部省略されてるじゃないか!!」
「ENNIO、人は誰しも聞いてほしくない部分があるものじゃない?」
「あるけど今回のこととは別問題だ!!」
ZANINIの叫びをよそに、CHRISTINEはノートのページをペラペラとめくっている。
「でもやっぱり、日本って難しいのよね、色々奥深くて。……もっとメリッサに聞いておいてもらうんだったわ」
「メリッサに聞いておいてもらう……って、DOMINOへのインタビューのことか。
――彼女確かに日本語は上手いと思うが、日本のことには詳しいのか?」
「きっと私よりも詳しいわよ。一人身になって日本語を使うと気持ちが違うんですか、とか」
「ぬおおぉぉぉぉぉぃぃぃ!!! それ日本が難しいとかとは別問題だ!!」
---------------(フィクションです)---------------
季節物でひな祭りをテーマに書いてみました。
(時期的にまだDAVE
&
NUAGE説だったのでそのあたりはご勘弁を(汗))
DOMINOさんへの弄りに関しては、当時の私曰く
あまりいじらないと本当にEUROBEAT無関係になっちゃうから、と(苦笑)。
そういう意味では、A-BEAT-Cのコントの方がより「EUROBEATミニコント」と呼ぶに相応しいのかもですね。
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