2年越しの雨
〜CHRISTINE & ZANINIシリーズ VOL.15〜


「おはよ……う」
E.ZANINIは、ロビーの多少重めの空気に押され、挨拶を少し戸惑った。
某日、イタリア、SCPのスタジオにて。
「――ああ、ENNIO、お早う」
そう返してくれたのは、こちらもいつもの顔、レーベルメイト・CHRISTINEなのだが……
何故か今日はご機嫌斜めのようだ。どんなに可笑しな発言をしていても
笑顔だけは純粋だった彼女だが、実に珍しい。
「お早う、ENNIO」
と、ほぼCHRISTINEと同時に挨拶を返してくれたのは、CHRISTINEの隣にいた
こちらもレーベルメイト・M.BIANCHINI。
「……随分機嫌が悪そうだな、CHRISTINA」
ZANINIは、自分もソファに腰を下ろした。
「なんでもね、今度のSEBのトラックリストが気に入らないんですって」
BIANCHINIはそう言うと、1枚の紙をZANINIに手渡した。
「最後見て、最後」
不服な表情のままCHRISTINEはそう指摘する。
「最後……ああ、「RAIN / CHRISITNE」か? 何でだ? これ君自慢の1曲だったろ?」
「そうよ、自慢の1曲だったわ。2年前からね」
「――あ」
そう。CHRISTINEは、せっかくSEB150のインタビューでほのめかしておいた楽曲を
ここまで先延ばしにされたのが気に入らないらしい。
「でも、いいじゃないか、こうして収録されたんだから」
「収録してくれたのはいいの。要は、ここまで無意味に先延ばしにしたお詫びにお菓子の1つや2つ
持って来いっていってるのよ」
無茶な話である。契約してしまった以上どうしようが向こうの勝手だ。
「ねえENNIO知ってる? 日本ではね、憎い相手を呪う方法が色々あるのよ。たとえば――」
「おおおおおぃぃぃぃぃ!! いらないよそんな説明!! というか実際にやったんじゃないだろうな!?」
やりかねない。ZANINIは瞬間にそう思った。
「ENNIOはいーわよねー。GO 2沢山収録されてるしー」
「う……」
そう言われてしまうと、何とも反論出来ない。
「いっその事、私もGO 2に入ろうかしら」
「いや入ろうかしら、ってそんなに簡単に入るとかそういう問題じゃないだろ。
GO 2の正式名称は『GO 2[ACE vs FASTWAY]』だし」
「CHRISTIANの代わりに私が入るわよ。CHRISTIANとCHRISTINAって
名前似てるから誰もわからないわ、きっと」
「いや名前の前に声の問題だよ!! 普通男の声がいきなり女に変わったらおかしいと思うだろ!?」
「多分DAVE & DOMINOの新曲がもうリリースされてないことの違和感よりかはマシよ」
「だあぁぁぁ!! そこと比べるんじゃない!!」
「じゃあ、私がDAVE & DOMINOに入るわ」
「いやそこは入るとかそういう問題のユニットじゃないから!!」
「じゃあENNIOがMAD COW AND THE ROYAL EUROBEAT ORCHESTRA OF BAZOOKISTANに
入るっていうのはどう?」
「『どう?』の意味がわからないよ!! そのユニットを僕に勧めてくる理由が!!
それに多分、そのユニット僕が入る隙間ないから!!」
「でも誰か抜けてくれないと、私がGO 2に入れないじゃない?」
「待てぃぃぃぃ!! 結局自分の問題なんじゃないかぁ!!」

------------(フィクションです)------------

SEB168に無事「RAIN / CHRISTINE」収録決定記念ミニコント(笑)。
というか実際のところ、歌い手製作者側としてはSEBのトラックリストって見ていてどう思うんでしょうかね。
非常に気になるところです。


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