地球に優しく、あなたに厳しく
〜CHRISTINE & ZANINIシリーズ VOL.17〜


「えーと……ここはこうしたほうがいいんじゃない?」
「それだったら、これは……」
――某日、イタリア、SCPスタジオにて。
E.ZANINIがいつものようにロビーに入ると、2人の女性――こちらも御馴染み
CHRISTINEとM.BIANCHINIが何かを話し合っているようだった。
「あっ、お早う、ENNIO」
――深く係わり合いになる前に通り過ぎようか、とふと考えていたところで、
CHRISTINEがこちらの存在に気付き、挨拶をしてきた。
「ああ、お早う。――2人して、何の話し合いなんだ?」
一応礼儀(?)として、ZANINIは尋ねてみた。
「あ……そのことなんだけど……ENNIO、この前はごめんなさい」
急に真面目に謝られて、ZANINIは気が抜けてしまった。
「この前は……って、何が?」
心当たりが多すぎるんだけど、とはさすがに言えないZANINI。
「ほら……無理矢理GO2を新生にしようとしたじゃない? ああいうのは駄目よね、やっぱり。
ファンのことを考えてももちろんよ」
「そのことか。まあ、ね。――でも過ぎたことだから、もういいよ」
「ありがとう。――でね、これからどうしようか、ってメリッサと話し合ったんだけど、
正式に2人でユニットを作ってみようか、って話になって」
「そういうことか。いいんじゃないか? 僕は賛成だよ。
コラボレーションで初めてわかるものもあるし、特徴とかもハッキリするからね」
事実、ZANINI自身C.CODENOTTIとユニット組んであらためてわかったことも多々あった。
「ユニット名も決まってるの。CHRISTINAと一生懸命考えたのよ」
M.BIANCHINIが嬉しそうに報告してくる。その笑顔を見てると、
「へえ、なんていう名前にしたんだ?」
とは聞けずにはいられなかった。――ZANINIの質問に、CHRISTINEが答える。
「CHRISTINEとMELISSA WHITEでしょ? だから、2人合わせて「CO 2」」
「ああ、それは素敵な名義……じゃないよ全然!! 何だそのユニット名は!?
GO 2のパクリ感丸出しじゃないか!! 何処がCHRISTINEとMELISSA WHITEなんだよ!?」
「こんにちは、CO 2のメンバーのMELISSA BIANCHINIです」
「だからいらないよそんな挨拶!!」
純粋なのはいいのだが、騙されるにも程がある。
「大体、変にパクってるからパッと聞き物凄い地球環境に悪い感じの名義になってるぞ!!」
(CO2 = 二酸化炭素)
「じゃあCOに変えるわ」
「それだともっと駄目だろうが!!」
(CO = 一酸化炭素)
結局いつもの路線に戻ってしまった。――ZANINIは深いため息をついた。
「あ……でも、地球環境に優しいEUROBEAT名義、ってのも今までなかったわよね」
CHRISTINEが、不意にそんな意見を言い出した。
「というか、あまり地球環境に優しい歌手自体がそう多くないだろ。世界平和がどう、とか
そういうのは時折あったりしたけどな。大物が沢山集まったりして」
「EUROBEATにも平和を歌った歌ならあったわよ。ほら、「LIVE IN PEACE」とか」
そう言うと、BIANCHINIは「LIVE IN PEACE / DAVE & KAREN」を即興で歌いだした。が――
「駄目よメリッサ、その歌は」
CHRSITINEが、厳しい面持ちでBIANCHINIを制止した。
「えっ……どうして?」
「決まってるじゃない。――家庭の平和が守れなかった人が歌う平和なんてロクなものじゃないわ」
「おいぃぃぃぃ!! 比較対照として扱うなよあそこの離婚と世界平和を!!
個人の恋愛と世界平和は無縁だろう!?」
「ならENNIOは、昨日の辛いことみんな空へ投げてもいいって言うの!?」
「何の話だよ!? いいよ別に!! 何正当な意見述べてるような勢いになってるんだよ!!
というか君が言ってるのあくまで特定の夫婦間の話じゃないか!!」
最近はいじり方が減ってはきているが、それでもいじり出すとすぐこれだ。
――ZANINIは、再び深くため息をついた。
「でもでも、地球環境を守る歌を歌うEUROBEAT名義ってのも良さそうじゃない?」
「うーん、そうかもね。――それじゃ、2ndはその路線を考えてみる?」
再び相談に入るCHRISTINEとBIANCHINI。――と、ZANINIは気になる点が浮上してきた。
「なあ、2ndは……ってことは、もうデビュー曲は決まってるのか?」
「決まってる……というか、製作途中なのよ。とりあえず、サビだけ出来てるの。――聴いてみる?」
「興味はあるな。――タイトルは?」
「うん、「BARGAIN SALE」っていうの」
「……なあ、もしかして「NOT FOR SALE / GO 2」、物凄い意識してない?」
「やあね、偶然よ。……さっきも言ったけど、まだサビしか出来てないから、いきなりサビから流れるから」
そう言いながら、CHRISTINEはCDコンポのスタートボタンを押した。
すると、案の定聞き覚えのあるメロディーに合わせて、2人の歌声が聴こえてくる。

「Bargain sale!」
「A woman is ready」
「Bargain sale!」
「Oh, pretty pretty battlefield」
「Bargain sale!」
「I've gotta feel the power forever」

「……ああ、もういいよ!」
そこまで聴いたところで、おもむろにZANINIは音楽を止めた。
「あー、なんで止めちゃうのよー」
「止めるよ!! 何だよこれ!! NOT FOR SALEの歌詞をちょっと変えて
バーゲンの歌にしただけじゃないか!! 何処が偶然なんだよ!!」
「それだけじゃないんだってば。最後までちゃんと聴けばわかるから」
そう言うと、今度はBIANCHINIが再び再生ボタンを押した。

「Bargain sale!」
「I've gotta feel the power forever」
「Feel I'm breakin' now ozone layer」

「おいぃぃぃぃ!! 結局地球環境に悪いユニットなのかよ!!」
ZANINIは激しくツッコミを入れた。
「地球環境に悪いんじゃないわ。――平和の歌を歌いつつ離婚した夫婦に厳しいのよ」
「どっちも、駄目ーっ!!」

------------(フィクションです)------------

CHRISTINE & MELISSAの、目指せGO 2シリーズ(?)第3弾。
「CO 2」は「しーおーつー」ではなく、「こーつー」と読んで下さい(笑)。
後、「BARGAIN SALE / CO 2」はNOT FOR SALEのメロディーに当てはめながら想像すると
よりナイス(爆)。――ちなみに個人的なツボは、
「ならENNIOは、昨日の辛いことみんな空へ投げてもいいって言うの!?」
ですかね(笑)。


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