衝撃のむせる映像
〜CHRISTINE &
ZANINIシリーズ VOL.26〜
「うーん」
某日、イタリア、SCPスタジオにて。
いつものようにE.ZANINIがスタジオに到着すると、なにやらパソコンを前にして唸る女性が1人。
――CHRISTINEこと、レーベルメイト、C.TOSIであった。
「――何唸ってるんだ、CHRISTINE」
聞かなければいいものを聞いてしまうのは性というべきなのか。
「あ、ENNIO。――ほら、これ見て」
と、CHRISTINEが促す画面には、なにやら誰かがキーボードを弾いている映像が。
「――これ、聞いたことあるな。えーと、確か……」
「"CHEMICAL
LOVE / KEVIN & CHERRY"よ。弾いてるのは作曲者であるMATTEO
RIZZI」
「へえ、本人か。凄いな」
「何が凄いって、自分で撮影して、ファンの為に公開したらしいの。――こっちも負けてられないわね」
「いや、対抗意識を滾らせる理由がわからないんだけど」
いつもの話と言ってしまえばそれまでなのだが、こういう場合ロクなことにならないのは
ZANINIとしては嫌なほど体験済みなのだ。
「負けてられないじゃないのよ! ウチは何だかんだで全然新しい映像を作ろうとしないし!
ENNIOなんてあれじゃない! "THE
FIRE AND THE RAIN /
DUSTY"で上手く歌えないで
むせてる映像しかファンのイメージにはないのよ!? シンガーとしてどうなのそれ!?」
「何故それ!? 何故その映像、しかもそのシーンしかファンのイメージにないって決める!?
普通僕の映像って言ったら"NOT
FOR SALE / GO
2"のPVだろ!?」
「――そんなのもあったわね」
「何その冷たい対応!?」
お前基準絶対ずれてるぞ、と心の中でZANINIは舌打ちしてみた。――無論心の中なので届きはしないが。
「というわけで、映像撮りましょ」
「――僕のか?」
「当たり前じゃない。ENNIO、これからレコーディングでしょう? その様子をバッチリ撮って
ファンに公開するのよ」
「いや自分でやればいいじゃないか。何故僕?」
「何だかんだでFASTWAY
/
DUSTYが看板アーティストなのよ、SCPは。実験も兼ねてるし」
「いや絶対後者の方が理由大きいだろ君!?」
「――それじゃ、撮るわよー」
ZANINIは結局押し切られ、レコーディングの風景を撮らせることになってしまった。
――まあいいか、歌うのに集中してさっさと終わらせれば、などと思っていると、
「あっ、ENNIO、そうだ忘れてたわ! 1つ確認しておきたいの!」
いきなり横槍が入った。――今日、無事に帰れるだろうかとZANINIは心配してしまう。
「確認? 何だ?」
「映像のバックに流れる曲は何がいいかしら?
一応候補としては"CRAZY
GENERATION""YEAH!!""RAIN""ME,MYSELF &
I"の4曲があるけど」
「全部自分の曲じゃん!? 自分をPUSHしたいだけかよ!?
というかレコーディングの風景を撮るのに曲をバックに入れたら僕の声聞こえなくなるだろ!?」
「後は"I
WANNA DANCE /
DOMINO"位かしら」
「何故そこへ!? 他レーベルだしというか人の話を聞けえぇぇ!!」
「まあいいわ、その辺りは編集の時に相談しましょ。――それじゃスタート!」
はぁ、と軽くため息をついて、とりあえずZANINIは歌い始めることにする。
「――はい、ENNO! そこでむせて!!」
「待ておいぃぃぃぃ!! 何その指示!? むせるの前提!?
というかむせるのが駄目だったから新しい映像を用意するんじゃないのか!?」
「細かいことは気にしないで歌って!」
「歌えるかぁぁぁ!! 全然細かくないわあぁぁ!!」
――と一通りのツッコミを入れた後、歌わないと帰れないので再びZANINIは歌い出す。
しばらく歌っているとツッコミも入らないのでこのままオッケーかと思っていると……
「――ENNIO
ZANINIのレコーディング風景をお送りいていましたが、ここで緊急ニュースです」
「メリッサ!? いつからそこに!?」
「イタリアSCP所属のシンガー、CHRISTIAN
CODENOTTI氏のロン毛、有罪判決が出ました」
「出るかぁぁぁ!! というか何故ニュースが途中で入る!? テレビ番組かよ!?」
「ENNIO、集中しないと終わらないわよー」
「誰のせいだよ!?」
「駄目よメリッサ、邪魔しちゃ」
「いや計画したの君なんだろ!?」
――と、一通りのツッコミを再び入れた後、やはり再び開始するレコーディング。
「――うん、うんうん、いい感じ。……そうそう……
はいENNIO! そこでマリオジャンプ!!」
「やれるかぁぁぁ!! 君は一体何の映像を撮りたいんだ!? びっくり映像か!?
誰がレコーディングの途中でマリオジャンプするかよ!? ファン離れるぞ!?」
「大事なのはそこじゃないわ」
「いや間違いなくそこだよ!!」
どんどん表向きの目的がずれはじめているのでレコーディングが一向に進まない。
と、今度はそこでCHRISTINEがため息をついた。
「もう仕方ないわね、そこまで言うならお手本を見せてあげる。――メリッサ」
「うん、ちょっと待ってて」
そう言うとメリッサことM.BIANCHINIはレコーディングルームを出て行く。――そして数分後。
「おい、何の用事なんだよ、わざわざENNIOのレコーディングに付き合えなんて」
BIANCHINIが連れてきたのはC.CODENOTTIだった。
「CHRISTIAN、ちょっとそこで立ってて」
「は? 立ってて、って……」
「それじゃ、スタート!」
CODENOTTIをそこに立たせておいてのZANINIのレコーディングがスタートする。
ZANINIも何だろう、とは思いつつ歌ってみる。
「――はいCHRISTIAN! そこでマリオジャンプ!!」
「イヤッフゥー! やった、キノコが出て……くるかぁぁぁぁ!! 俺はマリオじゃねえ!!」
「これよENNIO、このノリが欲しかったのよ」
「いやだからどっちにしろ駄目だろうが!!」
「CHRISTIANのロン毛も毒キノコで縮んでくれるかも」
「そんなわけないし一体何の話なんだよここは!?」
------------(フィクションです)------------
ネタの出所(?)は某所BLOGの記事より(笑)。
もう何でもネタに結びつけますぜ親分。
――相変わらずEUROBEATネタなんだか私のネタなんだかよくわかりませんがね(苦笑)。
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