噂のあなた
〜GOBBIシリーズ VOL.4〜
某日、A-BEAT-Cのスタジオにて。
E.GOBBIは、自販機で買ったコーヒーを片手に、窓から外の景色を眺めていた。
「――また随分と辛気臭い顔してるわね」
その声に振り向くと、K.J.WAINWRIGHTが先ほど自分が買った自販機で、同じくコーヒーを買っていた。
「さっきのレコーディングが気に入らなかったわけ? SANDROもよかった、って言ってたじゃない」
「そうじゃなくて……ねえKIKI、あなたここ(A-BEAT-Cのスタジオ)が、
一般人からどう思われてるか、知ってる?」
「スタジオが?」
「ちょっと小耳に挟んだんだけど、街の人からは、得体の知れない建物として見られてるんですって」
GOBBIは、ふぅ、とため息をついた。
「うーん、そうかもね……EUROBEATはどちらかといえば日本向けの楽曲で、
こっちでは知らない人も多いから。謎の建物として見られても、仕方ないわよ」
「それじゃ……その謎の建物に入っていく私達って、どう思われてると思う?」
「私達? そうね、『あの人達、何の仕事してるのかしら?』とか?」
「そんな生易しいものじゃないわよ……」
「ねえママ、あの人達、何?」
「コラ! 見ちゃいけません! 見たら魂を抜き取られますよ!!」
「……何でそこまでオカルト的な発想になるのよ」
WAINWRIGHTは呆れ顔でため息をついた。
「どうしようKIKI! 私達、魂を抜き取られちゃうの!?」
「待て待て!! さっきの話と立場が逆になってる!!
第一どっちにしろそんなやり取りあるわけないでしょ!?」
必死でGOBBIをなだめるWAINWRIGHT。――その様子からして本気で心配している。
と、その時、外からサイレンの音が聞こえた。
「警察!? まさか、ここを嗅ぎ付けられたの!?」
「いや何もしてないでしょ?」
不意にドアが開く。――入ってきたのはS.OLIVAだった。
「ああ2人とも、そこにいたのか。――今、警察の人がきてね」
「ああ、やっぱりっ! もう駄目! 劇団のみんなにも申し訳が立たないわ……!!」
その場でがっくりと座り込むGOBBI。――OLIVAは驚きの表情でそれを見た。
「この間そこで引ったくりがあったらしくて、聞き込みをしてるらしいんだけど――何かあったのか?」
「KIKIが……サイコロステーキの食べすぎで……魂の……」
「一体何処まで話膨らませてるのよ勝手に!!」
------------(フィクションです)------------
実際、A-BEAT-Cのスタジオっていうのは本場イタリアの人からすると
「何の建物?」って感じらしいです。EUROBEATが精通していない証拠。
以前のSEブンブンダラーさんとのメッセでこの話になり、このネタを思いつきました。
かなりあさっての方向へぶっ飛んでしまいましたけど(汗)。