ウイロウヨロレイホー
〜GOBBIシリーズ VOL.11〜
「何だ、ここに居たのかELENA。あと10分でレコーディング、始めるぞ」
某日、イタリア、とあるスタジオにて。
S.OLIVAは時間になっても中々姿を見せないE.GOBBIを探していると――
「うーん……」
スタジオロビー、1人何かの資料を見ながら唸るGOBBIを発見したのである。
「――何かを見ながら悩んでるってことはお得意の心配じゃなさそうだな。
何の資料だ?」
「あ、SANDRO。――私も何かもっと特技を見につけておかないと、と思って」
「特技……? 何の為にだ?」
「何言ってるのよSANDRO! 今EUROBEAT界全体がウイロウに乗っ取られそうじゃないの!」
「いきなりツッコミ所満載だなおい!!」
気が付けばA-BEAT
C乗っ取りをいつも心配していたが、ついにEUROBEAT界全体に話が
膨れ上がっている。――というか、
「――ウイロウって何だ? 人の名前か?」
「ええっ!? SANDRO覚えてないの!? あなた一緒に仕事してたじゃない!!
どうしちゃったの!? そんな……しばらく会わない間に病気になったのね!!」
「はい!? 一緒に仕事した!? 僕が!?」
「記憶障害になったSANDROは、DOMINOとGO
GO'S
MUSICを結成したことも、
そしてその勢いでDOMINOと淫らな関係になったことも忘れたのね……」
「うおおおぃぃぃぃ!! 忘れるも何もそんな関係になってないよ!!」
「最後には自分の名前も忘れて、『僕の名前はフェデリコ』と言い出す始末……もう駄目だわ!!」
GOBBIが、その場でガックリとうな垂れる。
――OLIVAは、その場でガックリうな垂れるGOBBIを久々に見た。何処行ってもやるんだなこれ。……というか、
「ELENA、一旦整理しよう」
「身辺整理!? 逃げるのね! 証拠隠滅!!」
「違う! 話の整理だ!」
OLIVAは、一旦深呼吸をすると、口を開く。
「さっきも聞いたが、ウイロウって誰だ? いつ僕がその人と共演したんだ?」
「いつって……ほら、この前の、トーマスの曲で」
――トーマスの曲? 確か、トーマスの曲に参加したのは、僕とDOMINOと……
「――って、あれはキコ・ルーレイロだ!! 全然違うだろうがぁぁぁ!!」
一体何段階捻ればウイロウになるんだ、とOLIVAは更なるツッコミを入れておいた。
「まあいい、それで? 彼は元々A-BEAT
Cとは仲良くしていたし、今更乗っ取りはないだろう」
「でも今、こうしてGO GO'S MUSICっていう、いくらA-BEAT
Cの傘下レーベルとはいえ、
SEBに新規レーベルが参加しているのよ? 付け入る隙はいくらでもあるわ」
何となく、まともな意見のような気がOLIVAはしないでもなかった。――ただ、ELENAだからな……
「そしてヨロレイホーは行動に出たの」
「また名前違うぞ!! てかもっと離れてるし!!」
お前の方がよっぽど記憶の病気だよ、とOLIVAは内心思った。
「彼、元々はヘビーメタルのギタリストでしょう? DOMINOに言ったのよ。
『俺のヘビーメタルをもっと全面的に使ったらどうだろう』って」
「……別に普通の意見じゃないか」
「そしたらDOMINOが答えたのよ。『ヘビーな人生はもう昔に卒業したの!』って」
「何の話だよ!? いや何が言いたいかはわかるけど!!」
「そしてそれを見ていたフェデリコが言うのよ。『俺の人生はあの空を流れる雲のようさ』って」
「何キャラ!? しばらく見ない間にフェデリコに何が!?」
「さらに、そこに偶然居合わせた――」
「いやもういいよ! というか、物凄い話がそれたけど、結局何で特技が必要なんだよ!?」
「ほらー、職に困るじゃない。何かあればそれだけで食べていけるわ」
いやお前劇団があるだろう、というツッコミを他所にGOBBIは一生懸命パンフレットを見ている。
「やっぱりエアギターかしら」
「――なんでやっぱり、なのかが分からないし、というか……」
つい先週位に何処かでそんな話が盛り上がっていたような気がしないでもないOLIVAだった。
――GOBBIはパンフレットを見ながら再びうーん、と唸る。
「でも、今エアギターって結構注目されてるから、今更頑張っても食べていくのは難しそうね」
「いやそれで食べていく必要性はないが……まあそうだろうな。今更頑張っても難しいだろう」
「そうなると、珍しい"エア"が必要だと思うのよ。で、調べてみて、いくつか候補を見つけたわ。
第一候補はこれ。『エアマックス』」
「おおいぃぃぃぃぃ!! それ違うよ!! スニーカーの名前だよ!!」
「後はね、『エアDOMINO』」
「何それ!? どうやってエアで表現するつもりだよ!?」
「まずはSANDROを色仕掛けで誘惑するところから練習ね」
「だからそれが理由で結成したんじゃないって言ってるだろうがぁぁぁ!!」
------------(フィクションです)------------
GO
GO'S
MUSICコント、記念すべき第一弾。
……とは言っても面子は見覚えのある方々ですが(笑)。
この作品からGOBBIさんの合方のKARENさんがどういう立場なのかがわからないのでお休みになり、
代理のお相手役にはなんとあのSANDROさんが!(笑)
SANDROさんは当時約5ヶ月ぶりの復活となりました。
一時期はマルさんとのコントも考えていましたが、このような形で復活させられるとは
筆者としても思っていませんでしたね、あの頃は。