偽者にトライ!
〜GOBBIシリーズ VOL.13〜


「ねえ、私は誰!?」
すれ違う人に、いきなりそんなことを尋ねられたらどう思うだろうか?
人それぞれだとは思うが、少なくとも困惑するだろう。
「…………」
そして、現にそう尋ねられたS.OLIVAは非常に困ってしまった。
――某日、GO GO'S MUSIC、スタジオにて。
「いや、私は誰、って……ELENAだろ? ELENA GOBBI」
OLIVAは困惑しつつも真面目に応対してみた。
そう、OLIVAにいきなり前置きなしでそう尋ねてきたのは、E.GOBBIだったのだ。
「ふぅ、よかった。SANDROはまだ私の区別がつくのね」
「区別がつくのね……って、はい? どういう意味だよ?」
「SANDROは知らないの!? 今、私の偽者が出回っているのよ!!」
「はあ!? ELENAの偽者!? どういうことだ!?」
少々今までにはなかった「心配」のパターンなので、OLIVAは詳細をGOBBIに尋ねてみることにした。
「SANDROは「LOVEBOY / ROMI」って聴いたことない?」
「いや――ないけど。AVEX系統じゃないだろう、それ」
「ええ、レーベルはBLAST!になるわ。――その"ROMI"の声が、私ソックリなのよ!!」
ガガーン、という効果音があったら実にピッタリだったであろうオーバーリアクションで
GOBBIはOLIVAにそう告げられた。――OLIVAは軽くため息をついた。
「落ち着けよELENA、それはその彼女の声が似てるだけで、偽者じゃないじゃないか」
「その油断が命取りなのよ! もうすぐ日本ではSEB180が発売でしょ!?
それを境目に私とそのROMIが入れ替わってるの! 他の人はそれに気付かないで平然に暮らしていると
後ろから彼女にグサリ、と」
「何目的なの!? 何目的なんだよその君の中のそのROMIって人!?」
「私はきっと、ストリートなラフな格好で、ガム噛みながら「オハヨーッス、SANDRO」とか言ってくると思うの!
私がそんな格好になってそんな口調になってたらもう入れ替わってるわ……殺られる前に殺るのよ、SANDRO!」
「いや、本当に変わってたら入れ替わってることに気付くから多分……
というかその名義だけで勝手な想像するなよ!! 結局わかってる情報ってそのROMI、っていう名義だけだろ?」
「でもあるじゃない、ほら名義のイメージって。DOMINOだと離婚、MANUELだとピーって」
「うおおおおぃぃぃぃなんじゃその勝手なイメージ!! まだ、まだ百歩譲ってDOMINOは事実もまざるからいいとしても
MANUELのピーって何だ!? イメージなのかそれが!?」
「何言ってるのよ、良い子の皆には聞かせてあげられないに決まってるじゃない、彼のイメージなんて!!」
「決めるなよ!? どんなイメージ作ってるんだよMANUELに!!」
個人的にはそんなことを平気で言うイメージをアンケートしてみたいぞ、とOLIVAは心の中で思う。
「大体な、根本的な話に戻るけど、声が似てるシンガーって結構いるだろ。ほら、君とエネリーもよく似てるし、
後は……そうだな、KIKIとMICHAELAもよく似てた。それこそソックリだったじゃないか」
「SANDROがそんな暢気なこと言ってていいの!? A-BEAT Cが分裂して新しいレーベルが出来るわよ!?」
「おおおぃぃぃ!! もう出来たから!! てか君は今何処にいるつもりなんだ!?」
話をしていて何をどう説明したらいいかわからなくなるOLIVAであった。
「――よくよく考えてみたら、エネリーが入ってきた時点で、もうこの計画は始まっていたのね」
「エネリー……ほぼA-BEAT C設立当時から!? もう分裂の話が始まってたのかよ!?」
「だってエネリー歌ってじゃない、Now you can try me、って!!
SANDROはその誘惑に負けてトライしちゃったのね……DOMINOにトライ!!」
「いやいつリリースの歌だよそれ!? 全然可笑しいだろ!?
しかも何最後のフレーズ!!」
「離婚にトライ!!」
「そこを弄るのはやめろよ!! 君本当は自分の命とか惜しくないだろ!?」
ちなみに、「TRY ME / LOLITA」は1993年に製作された楽曲である。
「そして離婚にトライしたSANDROはDOMINOと淫らな関係になって最終的には
フェデリコにいいように使われて捨てられてしまうのね……もう駄目だわ!!」
そこでGOBBIはガックリ、と項垂れてしまった。――人の心配をしてくれるのはまだいいとしても
その心配している内容が酷い。OLIVAはため息を大きくついた。――が、
「というわけで、早くSANDRO、早くMANUELを殺るのよ!!」
「目的入れ替わってる!? 何故そこでMANUELを殺らなきゃいけない!?」

------------(フィクションです)------------

出来は個人的には微妙なところです(汗)。
個人的なツボはDOMINOにトライ、で(爆)。


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