グサッと! フェデリコ君
〜GOBBIシリーズ VOL.14〜
「? 随分真剣な顔でPCと向き合ってるな、ELENA」
某日、イタリア、GO GO'S
MUSICのスタジオにて。
S.OLIVAは、やけに真剣な面持ちでPCのモニターと睨めっこをしていた
所属シンガー・E.GOBBIを見かけたのである。
「SANDRO……これ、見て」
「うん? ウチの公式ページか?」
GOBBIがインターネットで見ていたのは、GO
GO'S
MUSICのオフィシャルサイトだった。
「定期的に見てたんだけど、一向に正式オープンしないの」
「そうか……誰が担当してるんだろうな、これ」
OLIVA自身、あまりこの手のことには関わってなかったのでどうなんだろう、と思った矢先、
「そんな呑気な感想持ってる場合じゃないわ!
これは私達を消していくっていうメッセージなのかもしれないじゃない!」
と、真剣に叫ばれた。――OLIVAはため息をつく。
「あのな、何でホームページがスタートしないからって君が消されることになるんだよ……」
「私、容疑者で一番怪しいのはDOMINOだと思うの」
「話聞けよ! っていうか何でDOMINOなんだよ!? 自分とこのアーティスト消すか普通!?」
「レーベルのレベルアップの為に、アーティストに試練を与えているのよ」
「どんな試練だよ!? 消すとか厳しすぎるだろ!? 何度も言うけど、自分の所のアーティストを削って何になる?」
「だとすると――DOMINOも脅迫されてるのね!?」
そうくるのか。――OLIVAははあ、とため息をつく。
「黒幕は――そうね、フェデリコの女ね!」
「誰!? 何処から来た!?」
「フェデリコも年頃よ、女の1人や2人いてもおかしくないわ」
「2人いたらマズイけどまあ……な」
「フェデリコはその女に夢中で、その女の言うことなら何でも聞いてしまうの。
そしてある日言われるのよ。――「ねえフェデリコ、私、あなたと一生一緒にいたいわ」」
「……普通の健気な女じゃないか」
「「だから、私と一緒に死んで!」――ぐさっ」
「待てぃぃぃぃ!! それだとフェデリコ死ぬだろ!? ホームページ関係ないぞ!?」
「そんなこともあろうかと、フェデリコは服の下に雑誌を隠していたの」
「修羅場に慣れてる!? あの歳で!?」
「でもそれがエッチな本だったのをDOMINOに見つかってしまうのよ!!
――「まあフェデリコ! こんな本読んで!!」――ぐさっ」
「うおおおぃぃぃぃぃ!! 刺すなよ!? 何で刺すんだよ!?」
「そしてフェデリコの葬式費用を使いすぎたせいでGO
GO'S
MUSICは解散。
――路頭に迷うDOMINOをその後見た者はいなかったという」
「どれだけフェデリコの葬式に金使ったんだ!? というよりも何物語調で終わりにしてるんだよ!?
アーティストが消されるって話じゃないのか!? DOMINOが消えただけだろそれ!!」
「アーティストが消される……そう、大変なのSANDRO! 私達今消されるピンチなのよ!」
しまった、また振り出しに戻ってしまった。――OLIVAは軽く頭を抱えた。
「以前フェデリコ、何曲か歌ってSEBにも収録されたけど、最近はサッパリじゃない?」
「ああ、そうだな。でもそれがどうしたんだ?」
「将来再び歌う為に毎日家で特訓してる内に家から出なくなって――引きこもりになってしまったの」
「……んな馬鹿な」
「家で引きこもっていたフェデリコは次第に黒魔術――つまり呪いに目覚めたの!」
「極端だな! 呪いで消されるってのか!?」
「当たり前よ!! フェデリコの呪いは凄いのよ!?
夜道、1人で歩いていると、後ろから!!――ぐさっ」
「おいいぃぃぃぃぃ!! 全然呪いじゃないぞおぉぉぉぉ!! 結局刺してるだけだ!!」
「呪われた私はフェデリコの女と一騎打ち――もう駄目だわ!」
ガックリ、とGOBBIはその場で項垂れてしまった。――結局黒幕はフェデリコの女だったのか。
……と、OLIVAが思った時だった。
「何かさっきから色々聞こえてるけど、何の騒ぎなんだ?」
そこに現れたのは、同じくGO
GO'S
MUSIC所属のMANUELだった。
「あら、久しぶりね、えーと……」
生まれる沈黙。――そして、
「……ほら、もう呪いが始まってるわ! 私彼の名前を思い出せない!」
「待てい!! いや君それ絶対呪いのせいじゃないから!! 前からだから!!」
――俺の名前(名義)はMANUEL。
名前覚えてもらえないのは、どうやら呪いのせいらしいです。
------------(フィクションです)------------
掲載当時、いつまで経っても正式オープンしないGO GO'S
MUSICの
オフィシャルホームページをネタに作ったコントでした。
何だかEUROBEATとは無縁な話になりつつありますが、個人的には好きです(笑)。
ぐさっ(爆)。