ワタシとアナタの得意技
〜MANUELシリーズ VOL.7〜
俺の名前はMANUEL(名義)。
A-BEAT
Cでシンガーをしていて、人気も実力もあったはずだが
出番が少なくて最近どうなのよ? 的な空気が流れたかと思ったのだが
ついに先日SEB177に新曲「READY
STEADY
GO!」がトリで収録され、
勢いを取り戻しつつある男だ。――最近はNEOの姿もあまり見かけないし、
やっぱり時代は俺だぜ!――なんて思いつつスタジオに入っていくと、
「おっはよー、マニュエリンガ!」
ドン、と背中をいきなり叩かれながら挨拶をされた。――って、マニュエリンガ!?
「ぷっ……アハハハッ!! マニュエリンガだって!! 何その名前!? てか何人!?
退化? 退化したの? ぶははははっ!!」
振り返ってみると、そこにはお腹を抱えながら馬鹿笑いしているKELLY
T.(名義)が。
――またか。またこの女なのか。というか、
「勝手に変な名前つけて勝手に笑うの、やめてくれないか?」
「だってー、あだ名とかつけたほうが仲良くなれそうなんだもん。
ペットだって、買ったら名前付けるでしょ?」
ペットかよ。俺はペットなのか。
「でもね、大丈夫! そんなこともあろうかと、候補をいくつか選んできたから!
この中から好きなのを選んでいいよ?
1、「まにゅ〜ん」 2、「ビンビンマン」 3、「ドミノ」」
なんだよその選択肢!? 何この厳しい選択肢!?
しかもかろうじてMANUELに近そうなのは「まにゅ〜ん」だけで残り全然関係ないし!
しかも3を選んだその日には俺はA-BEAT
Cに居られなくなるぞ!?
ビンビンマンも意味がわからないし!!
「あのさ、正直、どの選択肢も嫌――」
「決めた!! 「マニュエリウム」にしよう!」
選ばせてくれー!! せめて選択肢の中から選ばせてくれー!!
というか何の為の選択肢だよおい!?
「でもさでもさ、マニュエリウムって、なんとなくヒーローが必殺技の光線で使えそうじゃない?」
ヒーロー「出たな怪獣! これでも喰らえ! いくぞ必殺、マニュエリウムビームっ!!」
隊員「I'VE
GOT TO GO!!」
マスター「お客さん、今日もBIG
BOYだねー」
「ぶははははっ!! 何そのヒーロー!? てかマスター!? 何で喫茶店なのよ!?」
それは俺の台詞だよ!? この前と同じパターンになっただけじゃん!?
「しかも結局今日もBIG
BOY!! 巨大化してるからハイパーBIG BOY!!
変身してBIG
BOYで気分はマニュエリンガ!! 意味わかんない!! あはははっ!!」
いや気づけ、何よりもわからないのは君だよ!
「でもマスター、この間の曲聞いたけどよかったよ?」
――最終的にはマスターか、俺。
「ああ、あれか? 「READY
STEADY
GO!」だろ?」
「うん、それそれ!」
こんな奴でも俺の曲は聞いていてくれているらしい。やっぱり俺の時代が来たのか!
「なんか、なんていうのかな? 微妙っぽくてよかったよ!」
誉めてない。誉めてないぞそれ。
「うん、ホントにね、マニュグラッセっぽくて――」
「皆、READY
STEADY GO!」
「I'VE GOT TO GO!!」
「LET'S GO,COME
ON!!」
「あははははっ、折角準備して出発したのに帰ってきてるじゃん! カモンって!!
何してんの!? 今日もBIG
BOYだから!? ぶははは!!」
ああ、もう駄目だ。もう手がつけられない。
「というかそもそも何の準備が出来てるの!? 何が出るの何が!? 何処から出るの!?
準備して出すものってドーン!!」
何がドーンなんだよ、何が!!――と、その時だった。
「あら、今日は随分賑やかね」
「あっ、ELENA!!」
と、そこへやってきたのはLOLITAで御馴染みのE.GOBBIだった。
「ねー聞いてよ! 今ね、セクハラされてたの!! 下ネタ連発されたの!!」
いやお前だよそれっぽいこと言ってたの!?……と思っていると、同じくその台詞を聞いた
ELENAがはぁ、と軽くため息をついた。
「あのね、少しは落ち着きなさい? MANUELがそんなこと言うわけないでしょ?」
お……おおおおおELENA!! ELENAが、あのELENAがまともだ!! 奇跡だ!!
流石にこいつには勝てないのか!! そういうことだ!!
「いい加減に認めなきゃ駄目よ。――MANUELは、三ヶ月前、不慮の事故で……」
「ええええええ!?」
……俺の名前はMANUEL(名義)。
今は天国からかつての仲間たちを見守っています。
------------(フィクションです)------------
MANUEL
& KELLY T.第二弾。前回とまったく同じ路線ですね(笑)。