SURVIVE -SEB 170-
〜SCPシリーズ VOL.3〜
「あ、ENNIO、お早う」
よく晴れた日、見慣れた光景、聴きなれた声。――某日、SCPスタジオにて。
でも、その声の主は、何か不思議な格好をしていた。
「お早う、メリッサ。――珍しい格好してるな」
E.ZANINIは、M.BIANCHINIに、素直にその変わった衣装について尋ねた。
――ZANINIには分からなかったのだが、彼女は、日本の巫女さんが着るあの白衣を着ていたのだ。
「うん。CHRISTINAが、首を吊る時は、こういう格好するといいって。
日本の女性は、こういう格好をして修行とか、してるらしいの」
「ふーん」
またCHRISTINAか。――ZANINIは心の中で苦笑した。彼女の一風変わった考えは、慣れている。
ZANINIは、ひとまずソファーに腰を下ろし、先ほど買った缶コーヒーの蓋を開けた。
BIANCHINIにふと目をやると、テーブルの上に上がり、天井からロープをたらして――
「――って、ちょっと待てぇぇぇ!! 何してんだよ!?」
「え? 今言ったでしょ、首吊るって」
要は、自殺である。――随分冷静ではあるが。
「と、とりあえず落ち着け! 何があったんだよ!? それを話してからでも遅くはないだろ!?」
「駄目よENNIO、私の想いを伝えるには、この方法しか――」
ZANINIも今まで色々な体験をしていたが、流石に目の前で自殺されかけたことはなく、
軽いパニックに陥っていた。とにかく止めることが先決なので、自分もテーブルの上に登り、
BIANICHINIの手を必死で押さえた。抵抗するBIANCHINI。すると、そこに――
「お早うございまーす」
何も知らないA.BONIが爽やかな挨拶で入ってきた。
「ALESSIA! 手伝ってくれ! メリッサが――」
ZANINIにしてみれば、天の助けである。とにかく、人手が欲しかった。
「え? 手伝う――って、ええ!? メリッサ!?」
BONIが、急いで駆け寄ってきた。
「その格好、珍しいけど、可愛い! 何処で買ったの!?」
「おいぃぃぃぃぃぃ!!! 状況を読めえぇぇぇ!!!」
本当に、まともな人間少な過ぎだ。――ZANINIは、後々あらためて確認させられた。
「ALESSIA、メリッサは首を吊ろうとしてるんだよ!」
「え……ええ!? 首吊り!? そんな貧弱なロープで!? もっと丈夫なやつにした方がいいんじゃないの!?」
「誰がそんな心配しろって言ったぁぁ!! 止めるんだよ!!」
「あ――ご、ごめんなさい!!」
やっと状況を飲み込んだBONIが、一緒に説得に加わる。
「メリッサ、とりあえず理由を話してみろ!」
ZANINIが、再びBIANCHINIに向き直った。――BIANCHINIが、平然と答える。
「だって、SEB170に私の曲、1曲も入らなかったじゃない」
ZANINIは、自分の耳を疑った。
「え――おい、理由、それだけなのか!?」
「だって、ENNIOも、CHRISTINAも、ALESSIAも、GO
2も入ってるじゃない」
「何言ってるのよメリッサ、私がリクエストした曲、全部入らなかったわ!」
BONIは、「入らなかった」の意味がずれていた。
「た、確かにそうだけど、入ってない人なんて他にも沢山いるだろ!?」
「そうよ! STEFANOさんやEVELINAさんも入ってなかったわ!!」
「入るかあぁぁぁ!! 作家陣だ!! 歌ってないだろうがぁ!!」
切羽詰った状況でもツッコミを入れることが出来るのは、既に体質か。
「それからそれから、SEB170のコメントの依頼、やっぱり私にだけこなかったし」
「何言ってるのよ! あれコメントしたテープ、3人に配らないと呪われるのよ!?」
「待てえぇぇぇぃ!! 何のホラー映画だよそれは!!」
ZANINIは、段々BIANCHINIの説得なのか、BONIへのツッコミにきてるのか、わからなくなってきた。
――と、その時であった。
「あ、みんなお早う」
相変わらずの屈託の無い笑顔で、CHRISTINEがスタジオに入ってきた。
「CHRISTINA! メリッサが――」
「あ、やってるわね」
「――へ? やってるわ、ね?」
ZANINIは、再び耳を疑った。今の言い方だと――
「私がアドバイスしてあげたのよ。あれだけ歌唱力があるのに、SEB170にランクイン出来ないのは、
きっとAVEXに舐められてるからだって。だから、何かどーん、って大きなアピールをした方がいいと思ったの」
――とんでもない発言である。ZANINIが、かろうじて口を開いた。
「死んだら元も子もないだろ!?」
「大丈夫よ、このくらいの時間にやれば、必ずENNIOが来るから、止められるって」
――そこまで予測済みだったのか。
「さ、メリッサ、仕上げよ。AVEXに電話して、「私の待遇をよくしないと、ジャンカルロ氏の離婚・再婚話を
ばらすぞ」って脅すのよ」
「おいいぃぃぃぃぃ!! 多分それ逆にSEBから追放されるぞ!?」
------------(フィクションです)------------
SEB170の感想をミニコントSCPキャラクター達が……というお話でした。
一応書き直したので、これでもよくなった方なんですが、個人的にはしっくりこなかったです(汗)。
ちなみに設定上、彼女はベテラン勢には敬語を使う、という設定でして、
時折口調が変わるのはそのせいです。ご了承あれ。勝手な設定ですが(笑)。
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